エンジンヘッドの研磨作業が終わったら、一旦洗浄します。
サンエスエンジニアリングのメタルクリーンαで再び洗って、金属粉を洗い流します。
洗浄後にエアブローで水分を吹き飛ばします。6Lのエアコンプレッサーでも十分ですので、可能であれば準備していただきたいです。
連続使用はさすがに厳しいですが、ちょっと待てばよいだけです。
洗浄の際にぜひやってほしいのが、下記の赤丸のような、オイル通路を確実に洗浄することです。ここをエアブローしたら、他の穴から真っ黒い水が出てきました。
オイル通路や冷却水の通路は確実にきれいにしたいところです。せっかく、オーバーホールしたのに、汚れや金属粉が残っていたら、磨耗が一気に進み、台無しになってしまいます。
私は、ブレーキクリーナーとエアコンプレッサーのエアブローで入念に金属粉を除去しました。
エアコンプレッサーが用意できない場合でも、メタルクリーンαなどの洗浄剤を使用した水洗いと、缶タイプのエアスプレーを用意して、金属粉を残さないようにしてほしいです。
洗浄してエンジンヘッドを乾かしたら、磨いたバルブをセットして、しばしうっとりしましょう。
これからバルブの擦りあわせをやっていきます。
バルブのあたり面にはご覧のようにカーボンを噛みこんだ跡があります。
ここから圧縮漏れしてしまうと、パワーダウンや燃費悪化につながります。
ここを擦り合せをして、きちんと密着させて、漏れが無いようにします。
バルブの擦り合せ面にバルブコンパウンドを適量塗ります。
粗めと細めがありますが、最初は粗めを使います。
タコ棒とよばれる工具の先にバルブをくっつけて、回転させながらバルブシートに当てて擦り合せを行います。10回くらいやって、あたり面を確認するようにしてみました。
その際にバルブステム部分に薄くエンジンオイルなどを塗って、潤滑させました。
何回かバルブコンパウンドを塗って、タコ棒に付けて、回しながら当てて擦り合せをして、拭き取り、またバルブコンパウンドを塗ってと繰り返します。
バルブがバルブシートに当たる瞬間にねじり込むように叩きつける感じです。
下記は何回か擦り合せをした後ですが、まだカーボン噛み込み跡が残っています。
ここの凹凸がひどかったりする場合はバルブ側を研磨したり、合わせ面が広くなりすぎた場合はバルブシートカットが必要になります。
内燃機屋さんに依頼することになりますが、今回はシートカットは不要と判断しました。
このあたりもサービスマニュアルに従って判断します。
以下、サービスマニュアル(整備解説書 4G1 DOHC ENGINE)の抜粋です。
さらに何回か擦り合せを実施し、あたり面がきれいになるまで繰り返します。
一部、下記のような深い凹みがありましたが、これが消えるまで擦り合せを実施すると、あたり面が広くなるので、ここの修正はあきらめました。
16バルブなので16本実施します。地味ですが、結構手間がかかります。
こちらはだいぶ仕上がってきたところです。
こちらはまだヘッド側があまい感じです。うまく擦り合せが出来たかどうかは光明丹が使われます。私は代替で朱肉でやってみましたが、いまいちうまく確認できませんでした。
擦り合せが終わったと判断したら、密着確認を行います。
灯油などがベストなのでしょうが、なかったので、たまたまあったジャッキオイルで確認しました。並々注いで、しばらく放置します。
粘度がそこそこあるので、確認には不向きかもしれませんが、そのジャッキオイルでさえ、若干漏れてきてしまいました。
再び、擦り合せに戻ります。
再擦り合せ後、確認し、オイルが染み出てこなければOKとしました。
エンジンヘッドオーバーホール作業も半ばを過ぎた感じですかね。
これで圧縮がきっちり出て、パワー復活や燃費向上につながることを期待したいです。
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