エンジンヘッドオーバーホール(分解編) | 車な週末Life

エンジンヘッドオーバーホール(分解編)

知人に頂いたコルト(Z27AG)の4G15エンジンのヘッドをまずは検証します。
走行距離は1~2万キロとのことでした。
メンテナンスの状況など推測しながら見て行きたいと思います。

エンジンヘッドの大きさは大き目の収納ボックスに入るくらいです。
重さは測っていませんが、ちょっと重いけど持ち運びは出来る感じです。
20キロ以下ではないでしょうか?
RB26などの6気筒ともなると、さらに重いので、ちょっと大変かもしれません。

中古エンジンヘッドを検証する

まずヘッドの状態ですが、オイルフィラーキャップ周りがオイルでベタベタになっています。雑な扱いを受けてきたのかと不安になります。

とりはずしたエンジンヘッド

吸気ポート側は特に汚れもなく問題ないようです。

ヘッドカバーのあわせ面からややオイルが染み出てきているかという感じです。

エンジンヘッド 横から

一番気になる燃焼室ですが、燃調は濃い目だったのでしょうか。

点火プラグ付近にかなり厚めのカーボンが積もっています。

私が10万キロ走ったヘッドのほうが点火プラグ付近のカーボンは少なかったです。

コルト(Z27AG)の10万キロ走ったエンジンヘッドを確認してみた

エンジンヘッド カーボン

排気ポートは温度が高いのか、白っぽくなっていますね。

このヘッドは排気ポート側のほうがカーボンが多めのようです。

燃焼室のカーボン

エキマニは排気漏れしていたようです。

純正エキマニで1,2万キロでこんなことにはならないと思うので、粗悪な社外エキマニを装着していたか、事故車でエキマニ付近が押されていたか・・・などいろいろ推測してしまいます。

排気漏れ

ポート噴射なので、吸気ポート周りはきれいでした。

吸気ポート

排気ポートもカーボンは積もっていますが、カーボンの厚みでポートの断面積が狭くなるようなことは無かったです。

排気ポート

違う角度で吸気ポートを撮影。

吸気バルブもきれいですが、ポートには鋳造のスジのような出っ張りがあり、これは削れなければと思いました。

吸気ポート

サーモスタッドハウジングを外したところですが、水路は鋳造のためか、かなりざらざらでした。内部にもでっかい突起のようなでっぱりがあり、あまりスムーズに流れておらず、キャビテーションを起こす要因になっているのではと思ってしまいました。

サーモスタッドハウジング部 水路

ヘッドカバーを外して裏側を見てみました。

それほどベタベタではないので、オイル交換はきちんとされていたようです。

オイルメンテが悪いとヘッドカバーの裏はオイル焼けしていたり、ブローバイガスのオイルミストが固着して真っ黒になったりします。

中古車を購入するときに、オイルフィラーキャップを外して確認するというのは定番ですね。

ヘッドカバー裏側

カムシャフトも傷は無く、問題ないようです。

オイル焼けもないので、オイルメンテはしっかりしていたようです。

カムシャフト周り

よく見るといたるところにバリがでています。

これがポロリと落ちて、オイル通路に回ると思うと怖いですね。

このあたりもせっかくのオーバーホールなので、対処したいと思います。

エンジンヘッドのバリ

カムシャフトスプロケット周りです。

こちらも特に問題は無さそうです。そのまま再利用します。

カムシャフトスプロケット周り

オイルフィーダーコントロールバルブです。バルブタイミングを可変させる装置ですね。

これも問題無さそうなので再利用します。

オイルフィーダーコントロールバルブ

なぜか激しく腐食しているボルトがありました。

このあたりは新品に交換しようと思います。

腐食したボルト

吸気バルブを突き出した状態にして確認してみました。

カーボンの付着はなく、バルブあたり面にカーボンの噛み込みも少ないようです。

吸気バルブ確認

排気バルブ側はバルブあたり面にカーボンの噛み込みが見受けられました。

多少、圧縮も漏れてパワーダウンしていたかもしれません。

排気バルブ カーボン噛み込み

カムの山をじっくり見ても磨耗は見受けられませんでした。

カム周り

カムのベアリングキャップを外してカムシャフトを外します。

ベアリング部分にも傷はないようでした。

カムシャフトはずし

ベアリングキャップ側のあたり面を見ると、若干スジが見受けられましたが、問題はなさそうでした。オイルメンテが悪いと、こういったところが磨耗していくんだろうなと思いました。

カムシャフトキャップベアリング

液体ガスケットを使っている部分は外すときに注意しましょう。

マイナスドライバーなどでこじると、合わせ面に傷をつけてしまうと最悪です。

ベアリングキャップは付いていたところに付けるのがセオリーです。

場所が分かるように整理しておきます。



カムシャフトを外したら、最後にバルブを外します。

バルブを外すにはバルブスプリングコンプレッサーというツールが必要です。
1000円台のものもあれば、1万円近いものまでピンきりです。私はアストロプロダクツのものを購入しました。

今後使うことがあるのだろうか・・・

バルブ外し バルブスプリングコンプレッサー

16本バルブを外すのは結構大変です。

排気バルブのあたり面はやはりカーボン噛み込みがありました。

燃調がもっとベストな状態だったら、ここまでひどくなかったのでは無いでしょうか。

バルブ外し 燃焼室

外した部品を整理します。

取り外した位置に再度同じ位置に付けるものもあるので、分かるようにしておきます。

カムキャップなど外した部品の整理

週末のみのオーバーホール作業になり、長期戦が見込まれるので、ホームセンターで収納ボックスを買ってきました。1.5リッターの4G15のヘッドは大きめのボックスに収納可能でした。

シリンダーヘッド収納

バルブ周りもどこについていたか分かるようにしました。

ヘッドを確認した感想

走行距離1~2万キロとのことでしたが、オイル交換はきちんとされていたようで、金属の磨耗という点ではまったく問題ないなという感じでした。

排気バルブのバルブあたり面についてはカーボンの噛み込みが見られました。

燃焼室のカーボンの状況から、燃調が濃い目だったのかなと推測しますが、良い燃焼を維持するのが、エンジンの好調を保つには重要だなと思いました。

エンジンヘッドの分解ですが、特殊な工具としてはバルブスプリングコンプレッサーのみで、あとはソケットレンチがあれば問題ありません。

かなりきつく締まっているボルトもあるので、長いスピンナーレンチがあると良いです。

次からは洗浄工程をご紹介しようと思います。

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