15万キロ走行のカーボンは除去できるか?
10万キロ時点でシリンダーヘッドのオーバーホールを実施しましたが、腰下は手を付けていないので、ピストンリング回りはノータッチでした。
こまめにオイル交換はしてきましたが、ピストンリング回りにカーボンがたまっているのではないかと思い、遅効性フラッシングのリングイーズプラスを投入してみました。
リングイーズプラスを投入した後のオイルフィルターの状況と圧縮圧力がどうなったかをご紹介します。
目次
リングイーズプラス投入と圧縮測定
155234キロ時点でオイルとオイルフィルターを交換し、バーダルのリングイーズプラスを投入しました。
オイル交換をして、エンジンを温めて、圧縮圧力の計測を行いました。
計測結果は御覧の通りでした。
気筒は左から順 | 1気筒目 | 2気筒目 | 3気筒目 | 4気筒目 |
130358キロ時点 | 1150kpa | 1140kpa | 1110kpa | 1140kpa |
155234キロ時点 | 1080kpa | 1100kpa | 1070kpa | 1090kpa |
13万キロ時点と比べると全体的に圧縮圧力値が下がっていました。
圧縮圧力の計測については以前の記事「エンジンの健康診断として圧縮を測ってみた」でも取り上げているので参照してみてください。
使用したコンプレッションゲージはSTRAIGHTのものになります。
オイル、オイルフィルターの交換
約3000キロほど走ったので、オイル交換を実施しました。
いつものようにエンジンが暖まっている状態でオイルチェンジャーで上抜きします。
2.8リッターくらい抜けました。
オイルフィルターも交換します。
フィルターレンチで手で回せるくらいまで緩めます。
別の記事で書いている「手を汚さないオイル&オイルフィルター交換の仕方」でフィルターをはずします。
いままでオイルフィルター交換のために、廃油受けを使って、清掃などが手間でしたが、このやりかただと廃油受けを使わなくて済むので、片付け作業が楽になりました。
オイルをレベルゲージ上限まで入れます。
エンジンを一旦かけて、オイルフィルターにオイルを回します。
その分オイルが減るので、再びレベルゲージ上限までオイルを足して完了です。
前回の廃油を保存しておいて、比較してみました。
ぱっと見は同じくらいの黒さでした。
ただ、リングイーズプラス投入後のほうが、細かい粒子状のスラッジが多い感じがしました。
オイルフィルターの確認
オイルフィルターはwalktoolのパイプカッターMを使って分解しています。
詳しくは別記事「オイルフィルターを分解した結果に驚いた」を参照ください。
軽くしめこんだ状態でフィルターを回し一周させます。
少ししめこんで、再びフィルターを回していくを繰り返すと切断できます。
最初は加減がわからずつぶしたりしていましたが、慣れると綺麗に切断できます。
モノタロウのオイルフィルターは五つの部品で構成されていました。
フィルターの底には黒いスラッジがたまっていました。
フィルターの濾紙を見ていきましょう。
淵の部分をカッターで切っていきます。
横側を切った後、フィルターを終端部分を切ると金属部分から分離できます。
このタイプのオイルフィルターは外側から内側方向にオイルが流れます。
内部にもフィルターで除去できなかったスラッジがたまっているのが確認できました。
紙とゴムと金属部品に仕分けできます。
金物は金属ごみとして処分します。
気になる濾紙ですが、真っ黒でした。
たぶんこれ全部スラッジと思われます。
こんな真っ黒になっているフィルターは自分の整備してきた車では初めてでした。
カーボンが溶かされてスラッジになっていると考えると、効果は非常にあると思います。
オイルが流れる部分でカーボンがあるとすると、やはりピストンリング部分になるかと思うので、バーダルのリングイーズプラスは使う価値があると思いました。
参考までに下記はオイル交換2回に1回で交換した6000キロ走行したフィルターの濾紙です。
色が全然違います。
倍の距離使ったフィルターよりも圧倒的にスラッジがたまっているということは、リングイーズプラスで除去されたと考えてよいのかなと思います。
リングイーズプラス投入後の圧縮測定
オイル交換後に圧縮圧力がどうなったか確認してみます。
ここで15万5千キロ時点より回復していれば、期待通りの効果があったことになると思います。
インジェクターよりガソリンを吹かないように燃料ポンプのヒューズを外しておきます。
エンジンが暖まっている状態で測ります。直前の油温は80度ほどでした。
計測結果は下記の通りでした。
結果としては13万キロ時点までは復活しませんでしたが、15万5千キロ時点より回復しました。
気筒は左から順 | 1気筒目 | 2気筒目 | 3気筒目 | 4気筒目 |
130358キロ時点 | 1150kpa | 1140kpa | 1110kpa | 1140kpa |
155234キロ時点 | 1080kpa | 1100kpa | 1070kpa | 1090kpa |
158194キロ時点 | 1120kpa | 1100kpa | 1100kpa | 1120kpa |
まとめ
リングイーズプラスを投入することで、実際にスラッジが大量にフィルターで除去されていることと、圧縮圧力が回復しているのが確認できました。
実際に走っていても調子がいいのを実感できます。
2万キロごとくらいでリングイーズプラスを投入するのがいいかなと思いますが、そうすると次回は18万キロ時点になるか・・・
何はともあれ、リングイーズプラスお勧めです。
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