1気筒圧縮が低かったアルトのエンジンを何とかしたい
前回オイル交換後にエンジンの健康診断として、アルト(HA36S)のエンジンの圧縮を測りました。
結果は以下のとおりで、1気筒だけ妙に低い値でした。
気筒は左から順 | 1気筒目 | 2気筒目 | 3気筒目 |
5万キロ時点 | 1090kpa | 1160kpa | 950kpa |
エンジンオイルは3000キロ毎に交換しているので、そんな馬鹿な!と思いましたが、結果がこうなっているので、何か対策を検討しました。
圧縮が低い原因としてはエンジンヘッドのバルブの機密性が悪いか、ピストンリングとシリンダーの機密性が悪いかが考えられます。
後者であれば、ピストンリングにカーボンが溜まり、リングの動きが悪くなっている可能性があるため、遅行性のエンジンフラッシングでカーボン除去を行うこととしました。
ワコーズのeクリーンプラスなどが有名で、当方も使ったことがありますが、調子がよくなった覚えがあります。
今回は、ピストンリングのカーボン除去の効果が高いと噂されるバーダルのリングイーズプラスを使ってみました。商品名にリングが入っていることから、効果ありそうだなと思ったのが選んだ理由でもあります。
3000キロでオイル交換していたので、そんなにカーボンなんて溜まっていないと思っていましたが、驚愕の結果となりました・・・
目次
- 1.バーダル リングイーズプラス投入
- 2.3000キロ使用のオイルの汚れ比較
- 3.オイルフィルターの確認
- 4.圧縮の測定
- 5.まとめ
バーダル リングイーズプラス投入
前回のオイル交換時の光景。
いつものようにオイルチェンジャーで上抜きで交換しました。
バーダル(BARDAHL)のリングイーズプラス(RING-EEZE PLUS)を投入。
オイル量の7.5%~13%を添加とのことなので、下限のほうに合わせて160gを投入しました。
3000キロ使用のオイルの汚れ比較
最近は1ヶ月に1000キロほど走るので、3ヶ月ちょっとで3000キロ走行となりました。
前回交換したオイルも3000キロ走行したもので、リングイーズプラスを入れて3000キロ走行したオイルと比較してみました。
オイルの銘柄は同じSUNOCOのSvelt EURO 5W-30になります。
ペットボトルに入れた状態では同じような黒さでした。
ペーパータオルにつけて比較してみました。
右側のリングイーズプラスを投入したオイルのほうが濃いですね。
それだけカーボンを溶かし込んでいるということでしょうか。
比較も終わったので、廃油を捨てたのですが、ペットボトルを見ると驚愕の光景が・・・
リングイーズ入りの廃油が入っていたほうには大量のスラッジが残りました。
ペットボトルに廃油を入れているときは分かりませんでしたが、オイル中にカーボンが多く含まれているのは間違い無さそうです。
オイルフィルターの確認
アルトのオイルフィルターは再利用可能なランマックスのマグネットフィルターを使っています。型番はR02827-34になります。
【★送料無料】 汎用 | オイルフィルター【キノクニ】ランマックス マグネットオイルフィルター Oリング外径サイズ:61φ センターボルトサイズ:UNF3/4-16 重量:346g
手を汚さないオイルフィルター交換をこころみましたが、取れてほしいところ以前が取れたので、結局手を汚すことに。
手を汚さないオイル&オイルフィルター交換方法についてはこちらを参照してください。
このランマックスのマグネットフィルターを分解してみると、異様にスラッジまみれでびっくりしました。
当方は長くても5000キロ毎にはオイルを交換していますが、こんな状態のは見たことが無いです。
黒い粒子状のものは見たことがありますが、ペースト状のものは初めてです。
フィルターじゃない部分にもスラッジの塊がこびりついています。
ステンメッシュのフィルター部分の底にもスラッジが付いていました。
フィルターケースの底をペーパータオルで拭き取ってみると真っ黒なねっとりしたものが大量に取れました。
鉄粉等はありませんでしたが、黒いものが捕獲されています。
こちらマグネット部分。
フィルター内部がとにかくヤバイ状態でした。
パーツクリーナーでフィルター部分を吹いてみると黒い汚れが取れました。
恐る恐るフィルター内部の底に溜まっているものをすくい上げてみると、なぞの黒いペースト状のものが捕獲できました。これが除去されたスラッジなのでしょうか。
今までのオイル交換で交換したフィルターを分解したことがありますが、こんなものは見たことが無いです。
オイルフィルターの分解についてはこちらを参照してください。
オイルフィラーのキャップも拭き取ってみましたが、いつもより黒いオイルが付着していました。
圧縮の測定
以前のオイル交換後に圧縮を測っているので、どうなったか確認します。
圧縮を測った以前の記事はこちらを参照してください。
新油を入れて、ちょっとその辺を走ってエンジンを暖めます。
点火プラグをすべて外します。
点火プラグを確認。
焼け具合などは問題ありませんが、ネジ部のオイル付着が気になる。なぜこうなるのか?
ストレートのコンプレッションテスターセットを使っています。
先にジョイントとホースを組んだものをプラグホールに取り付けます。
ゲージをつけ、アクセル全開状態でセルを回します。
電子スロットルの車でスロットルが開いているかはちょっと未確認です。
左端の気筒。
真ん中の気筒。
右端の気筒。
真ん中の気筒はやや下がりましたが、右端の気筒が他の気筒とそろいました。
やはりピストンリングが固着していたのか?
気筒は左から順 | 1気筒目 | 2気筒目 | 3気筒目 |
5万キロ時点 | 1090kpa | 1160kpa | 950kpa |
5万3千キロ時点 | 1120kpa | 1120kpa | 1110kpa |
--2021/06/09追記--
圧縮圧力測定時のセルモーターの回しが足りなく、圧力のMAX値を測定できていなかったようです。動画で撮影して気づきました。以下の記事を参照してください。
「ワコーズのeクリーンプラスを試してみた(アルト HA36S編)」
測定結果の信ぴょう性は低くなりましたが、大量のスラッジが取れ、トルクアップも体感できたので、リングイーズプラスの効果は間違いなくあると思います。
------------
まとめ
オイルフィルターの状態を見る限り、カーボンが解けて、ペースト状のスラッジとして、オイルフィルターで除去できたのかなと思います。
圧縮も上がっているし、実際、リングイーズプラスを入れて100キロほど走ったくらいから、なんかトルクが上がったという感じで、加速がよくなったのは実感していました。
バーダルのリングイーズプラスは謳い文句どおりにオイル交換やフラッシング洗浄では落とせないハードな汚れを落とすということが出来ているのではないでしょうか?
ちょい乗りが多くシビアコンディションに当てはまる車両だとは思うのですが、3000キロでオイル交換しているのに、圧縮が下がった件と、リングイーズプラスの効果に驚きを隠せません。
オイルフィルターのスラッジがすごいので、3000キロといわず、早めに交換したほうがいいのではないかとも思いました。
■関連ページリンク