直噴エンジンのイグニッションコイルを流用して点火強化
コルトの点火強化でLPGのADバンのイグニッションコイルを流用しましたが、いろいろ調べていくと、直噴エンジン車はポートエンジン車に比べて、ガソリンの気化がしにくく、燃焼効率を高めるためには強力な火花がいるようです。
なので、直噴エンジン車は純正状態でもイグニッションコイルが強力な火花を出せるように強化されていることがわかりました。
ZC33Sスイフトスポーツをはじめ、スズキ車も直噴エンジン車が主流になってきましたが、HA36Sアルトはポート噴射エンジンなので、直噴エンジン車のイグニッションコイルを付ければ、社外のイグニッションコイルを買わなくても点火強化できるのではないかと考えました。
目次
- 1.純正流用するイグニッションコイル
- 2.HA36SとMH55Sのイグニッションコイル性能比較
- 3.ワゴンRイグニッションコイル流用(ハーネス作成)
- 4.ワゴンRイグニッションコイル流用(取り付け)
- 5.まとめ
純正流用するイグニッションコイル
最初に目を付けたのはZC33Sのスイフトスポーツです。ヤフオクで純正の中古を探しましたが、タマ数が少ないため、イグニッションコイルに書いてある型番で調べたところ、ワゴンRもどうやら同じものを使っているようでした。
使用距離が非常に少なく、かつ安いスティングレーのものを見つけたので購入してみました。
距離からして事故車だとは思いますが・・・
右が直噴エンジン車のものですが、コイルの頭の部分が大きいです。コイルの巻き数が多いのかもしれません。
長さ的にも同じくらいなのと、コイル固定のボルト穴も同じ位置なので、大規模な加工はしなくても装着出来そうでした。
HA36SとMH55Sのイグニッションコイル性能比較
イグニッションコイルの性能を計る高価な測定器は持っていないので、点火チェッカーを使って実際の火花を見て確認します。
スピーカー端子がちょうどいいサイズだったので、コイルに直接挿してみました。
非常にアナログなツールですが、大体どのくらいの電圧が発生できるかが確認できるので良いツールだと思います。
燃料ポンプをヒューズを抜いてとめれないため、セルを回した時にエンジンがかからないように、イグニッションコイルをすべて外して、確認する気筒だけつないで確認しました。
まずはアルト(HA36S)の純正コイルから確認します。
点火チェッカーを30000Vの位置に併せて、セルを回し火花を確認します。
30000Vでは火花は飛びますが、飛ばない時もあり、あまり力強いとは言えません。
35000Vでも同じ傾向で飛ばない回もありました。
40000Vの位置では一回も火花が飛びませんでした。
アルト(HA36S)のコイルは30000V以下の性能なのではないでしょうか?
続いてワゴンRスティングレー(MH55S)の純正イグニッションコイルです。
30000Vでは毎回力強い火花が飛びました。もう全然ちがいます・・・
35000Vでも全く余裕のようです。
40000Vでもまだまだ余裕でした。
これは驚き・・・
40000Vよりさらにチェッカーの位置を遠くにしましたが、それでも火花が飛びました。
イグニッションコイルの性能がここまで違うとは予想外でした。
動画はこちらを参照してください。
ワゴンRイグニッションコイル流用(ハーネス作成)
当方はTMワークスのダイレクトハーネスを使用しています。
バッテリーから直接電源供給しようと思った際に、コイルのカプラーのオスのほうが、どこを探してもなかったので、このハーネスを使用した経緯があります。
R06Aは年式で3種類カプラーがあるので注意が必要です。
ダイレクトハーネスのカプラーを交換します。
ワゴンR用のカプラーに差し込みます。
端子は同じ形状だったので、そのまま使えました。
端子がそのまま使えたので、かなり楽に流用できそうです。
使用したカプラーは以下になります。
ワゴンRイグニッションコイル流用(取り付け)
コイルのカプラーのオス側が国内では入手不可能でしたが、海外サイトでは売っている通販サイトがありました。
実験用に欲しかったので、当方は中国のアリババの通販サイトで見つけたものを購入しました。
「Toyota 3 Pin Waterproof Fuel Injector Connector Plugs male part of sumitomo 6189-0099」などで検索すれば出てくると思います。
寸法的には頭が大きいですが、装着は可能です。(当方NAのため、ターボ車は未確認)
固定の部分が隙間が空くので、ワッシャー2枚挟むことにしました。
ボルトも長さが足りなくなるので、少々長いものを用意する必要があります。
純正ネジは先のほうのねじ山がないので、長さが足りず固定できませんでした。
取り付け完了です。ワッシャーを除けば、違和感はありません。
ハーネスが下側には収まらなくなったので、ダクトの上を通すことにしました。
高さが増えることに伴う干渉はありませんでした。
出来上がり。エンジンがかかることを確認します。
試走してきましたが、低回転からトルクが増えた感じがします。
坂道やCVTの変速でもたつくところが多少気にならなくなりました。
高回転まで回しても問題なく回りました。
念のため、プラグの焼け色を見ることにします。
直前に高回転まで回したせいもありますが、くすぶりも無く問題なさそうです。
まとめ
直噴エンジンのイグニッションコイルのほうが電圧が高いのかなと思っていましたが、ここまで差があるとは思いませんでした。
ワゴンRはタマ数も多いので、お試しで中古品を安く買って試してみるというのはありだと思います。
ドエルタイムなど、車両によって異なるので、まったく問題ないとは言い切れず、耐久性がどうなるかは不明ですが、様子をみながら使っていきたいと思います。
以前、BRISKの点火プラグをアルトにつけたのですが、1200回転くらいで巡航すると、失火のような事象が発生し、使用をやめました。
今思うと、プラグが要求する電圧をアルトの純正イグニッションコイルでは発生できていなかったのだろうなと思った次第です。
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