昇圧器(AQV-100-N)の故障原因を探る
インプレッサG4に装着していたオーディオQのAQV-100-Nが故障して、イグニッションコイルに電源供給できずにエンストするトラブルに見舞われました。
一旦、昇圧器(AQV-100-N)を外していますが、今後、昇圧器を装着する際に不安なので原因を究明してみようと思いました。
昇圧器故障時の対策として、自動切換え器を作成しましたが、別記事「16V昇圧器故障で路上でエンスト!フェールセーフ装置導入」を上げていますので参考にしてください。
目次
- 1.部品交換
- 2.原因判明
- 3.修理完了
- 4.AQV-100-N装着時の注意
- 5.まとめ
部品交換
電子機器の故障の切り分けの術を持っていないので、怪しそうな部品を交換していくことにしました。
第一歩として、ICチップ、FET、ダイオードを交換しました。
しかし、回復せず・・・
続いて、故障しやすい部品と言ったら電解コンデンサーかなと思い、電解コンデンサーを交換します。
電解コンデンサーの寿命はアレニウスの温度2倍則という法則があるようです。
もともと使われているコンデンサーは105℃・2000時間という仕様でしたが、同じ105℃で寿命が長いものを選んでみました。
しかし結果は変わらず・・・
故障することは無いとは思いましたが、可変抵抗を交換しましたが、やはり回復せず。
積層セラミックコンデンサを変えましたが、こちらも犯人ではありませんでした。
ならばと、抵抗も含めて次々交換しましたが、直らず。
原因判明
部品を8割ほど交換し、残るは数個の抵抗のみ。
もうわからないなぁと思っていると、コイルがグラグラしているの気が付きました。
何度も部品交換と、LEDが点灯するか確認のため触っていたら、コイルのハンダがはがれかかってしまったようです。
どうやら、コイルのハンダにクラックがあり、導通しなくなっていたようです。
弱ったところを作業時にコイルに触ったりしていため、完全にはがれてしまったようでした。
修理完了
ハンダを1回吸い取って、ハンダ付けしなおしました。
直りました!
半ば修理をあきらめかけていましたが、直すことができました。ちょっと感動。
抵抗4つと電源端子、ヒューズボックス、コイル以外ほとんど交換して新品になりました。
コイルは重くて、振動によってハンダにクラックが出来たと思われるので、蓋にシリコーンを盛って、コイルが動かないように固定することにしました。
蓋に盛ったシリコーンに接触しているので、固定されたようです。
AQV-100-N装着時の注意
今回の故障修理と電源切り替え器作成時に電圧計を装着して電圧を監視していたのですが、気付いた点があるのでご紹介します。
これはコルトに装着しているAQV-100-Nですが、イグニッションコイルの負担を考えて、昇圧した電圧を控えめにしていました。たしか15.5vくらいを狙っていたはず。
可変抵抗で調整しますが、以下の設定にしていました。
エンジン始動時は14.8v。
時計の電圧とあまり変わらない事実にちょっと驚きました。
アイドリング時の電圧を見ていると、なんと昇圧どころか降圧になっている。
と思えば、ちゃんと昇圧されるときもある。
2000回転くらいを維持すると、一番昇圧される感じでした。
可変抵抗を調整して、もう少し昇圧後の電圧を変えてみます。
エンジン始動時は16.2Vで1.6Vほど昇圧されています。
前回分かった一番昇圧される2000回転を維持していると、16.9Vまで昇圧されました。
もとの電圧から2.4V上がった形になります。
アイドリングや2000回転以下で走っていると16.0V~16.3Vくらいを行ったり来たりしています。
以上より、装着して電圧を測っても、バラつきがあるので、16Vで設定したつもりでも17V近くまで上がっているときもあるということです。
イグニッションコイルを破損しないためにも、しばらく電圧計を装着して電圧を監視し、可変抵抗を調整して昇圧後の電圧を決めるのが良いと思います。
まとめ
昇圧器の故障ですが、熱による部品の劣化が原因だとおもっていたので、まさかハンダのクラックだとは考えても見ませんでした。
結構、じっくり見たつもりでしたが、完全にハンダがはがれるまでまったく気が付きませんでした。
電圧計を装着して昇圧電圧のバラつきにも気がつけましたし、なかなか得るものが多かったです。
昇圧コンバーターで16Vの点火強化時は、電圧計と自動切換え器の装着を強くお奨めします。
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