ローダウン後のスタビライザーの角度が気になる
当方のアルトはタナベのダウンサスにRSターボ純正のショックアブソーバーを装着しています。覚悟はしていましたが、乗り心地は悪くなりました。制振ワッシャーやバンプラバーカットなどの対処をしましたが、段差などを乗り越える際や悪路走行はガタガタして乗り心地が悪いです。
ローダウン時に起きるスタビライザーの角度を適正化すると乗り心地が良くなったりはしないかと交換してみることにしました。
下記が純正スタビリンクでタナベダウンサスでローダウンした1Gの状態です。スタビライザーが上方に上がっていて、スタビリンクとの角度が大きくなっています。適正な状態であれば90度くらいの角度になっていて、スタビライザーがスムーズにねじれますが、角度が広くなっていると、スタビライザーは固定箇所を中心に円の動きをするので、上下の移動量が少なくなります。
スタビライザーの動きがスムーズでないと、不要な力がかかり、サスの動きを阻害してしまうのと、スタビライザーの本来のバネレートが生かせなくなるのかなと思います。
角度を適正化するとスタビライザーのバネレートが十分に使えるので、ロール時には固くなるという効果と、スタビライザーがスムーズに動くので、サスの動きが良くなり乗り心地が良くなるという効果があるのかなと思います。
交換してみて、乗り心地が良くなるかどうかも含めて確認してみます。
目次
スタビリンクの取り外し
ホイールを外すのでホイールナットを緩めておきます。
片側のみのジャッキアップだとスタビライザーがねじれテンションがかかってしまうので、両輪を上げる必要があります。
2.5トン対応のジャッキだと余裕です。
しかし20キロ以上あるので、腰に来ます・・・
純正のスタビリンクを外していきます。
ボルトが一緒に回ってしまうのを防ぐため、ヘキサゴンでボルトを固定してナットを緩めます。
下側も同様に。
スタビリンクを外します。
MPV用スタビリンクの流用取り付け
スタビライザーの角度を適正化するため、純正より長いスタビリンクを用意します。
みんカラの先輩方の情報をもとにMPV用のものを購入しました。
MPVのLW3Wの型式の物です。これ以外に33cmくらいの長さでオデッセイ用があるっぽかったので、それらしきものを購入したのですが、型を間違えたのか36cmあり、使えませんでした。
比較するとこんな感じです。純正より15mmほど長い感じです。
ローダウン量がもっと多ければ、値段は高いですが、調整式で長さが調整できるものがよさそうです。
新品のスタビリンクはボールジョイントの部分がカチカチでまったく動かないので、プラハンで叩いてほぐしました。
かなり固いですが、手で動くようになりました。6万キロ使用した純正はかなりふにゃふにゃでした。
取り付けていきます。
この時、反対側は純正スタビリンクが付いたままでしたが、両方外してから実施したほうが良いです。
反対側が純正でスタビリンクの長さが違うため、スタビライザーをちょっとねじった状態にしなければいけないので、取り付けにくかったです。
上下がはまればナットを締めるだけです。
MPV用のスタビリンクに付属していた新品ナットを使用しました。
サイズが14mmから17mmに変わりました。
片側完了です。
スタビライザーとの固定部分はこんな感じです。
ショックアブソーバーとの固定部分はこんな感じです。
スタビリンクが外れない(グラインダーで切断)
反対側のスタビリンクを外していきます。
ここでトラブル発生!
ボルトの6角穴を舐めてしまい、ナットがどうにもこうにも外せなくなりました。
インパクトレンチもスペースがなく使えない状況です。
仕方がないので強行手段を取ります。
グラインダーでナットに切り目を入れてみます。
緩まないので、ナットを半分にしてみました。半分は取れましたが、残ったところはソケットもかからなくなり、まったくどうしようもなくなりました。
ならば逆側を攻めます。
スタビリンクのボルトを根元から切ることにしました。
ボルト径より大きい部分があるのでそのままでは抜けません。
切断用だとスタビライザーに傷をつけるので難しいです。
どっちからも取れそうにない状況です(涙)
困りました。
リューターで少しずつ削ろうと思ったのですが、ボルトが固く全然削れず断念。
研磨用で少しずつ削ることにしました。
火花で樹脂とか溶けないか心配しながら作業します。
若干、スタビライザーも削ってしまいましたが、だいぶ際まで削りました。
貫通ドライバーとハンマーで突いてみます。
取れました!
スタビライザー側も深く削ることがなかったので被害は最小でした。
何とか取れたからよかったですが、ナット固着は怖いですね。
紙やすりで整えて、タッチペンで防錆対応しました。
長い戦いでヘロヘロになりましたが、スタビリンクを取り付けていきます。
反対側のスタビリンクも同じ長さなので、テンションもかからず簡単にはまりました。
交換完了です。
純正品、もしくは純正品に準ずる品質の製品を購入することをお勧めします。
スタビリンク交換前後の比較
こちらが交換後の1G状態のスタビライザーの状態です。
スタビリンクとの角度が90度に近い感じです。
これだと無理なテンションがかからずスタビライザーがねじれることができます。
ドライブシャフトへの干渉もなく自然についてます。
交換前後の比較です。上が純正で、下がMPV用です。
こちらがタナベのダウンサスと純正スタビリンクの組み合わせ。
1G状態でスタビライザーがかなり上の方向に位置しています。
弧の上側での動きになるので横方向に力が分散してしまうと思われます。
極端に上側にバンザイしていると、サスの上下の動きを阻害する形になると思います。
乗り心地やロール低減は別として、スムーズな動きにはならないですね。
右コーナーで深くロールした時の状態です。
スタビライザーは適正の1G状態より45度以上動いた位置になっているんじゃないでしょうか?
こちらが15mmほど長いMPV用のスタビリンクとタナベダウンサスの1G状態です。
角度的にはだいぶ適正化されたんじゃないかと思います。あと5mmほど長いとベストかもしれません。
同じく右コーナーで深くロールした状態です。
こちらもかなり万歳した状態ですが、純正スタビリンクよりは角度が浅いです。
スタビ、スタビリンクの動きは下記の動画の後半で確認できます。
まとめ
いろいろネットを調べましたが、ロールが減るのか、乗り心地が良くなるのかどちらが答えなのかはわかりませんでしたが、アルトのMPV用のスタビリンクに交換した効果としては、段差や悪路での乗り心地は若干良くなった感じがしました。
また、ロールについては特に減ったとは感じず、むしろロールが大きくなったような気もしました。交換前より深くしなやかにロールするようになったという印象を受けました。
バネレートやスタビの角度の補正具合によって結果は変わるとは思いますが、乗り心地を改善したかった当方にとっては、今回のスタビリンク交換はやってよかったなというところです。