ユーザー車検を通したが、ちゃんと整備したい
ユーザー車検を通した後輩のスイスポですが、ちゃんと点検整備をしていないので、その手伝いをすることにしました。
ブレーキフルードは一度も交換していないので、キャリパーのピストンを戻しての完全交換を行いました。作業工程をご紹介します。
キャリパーのピストンを戻してのフルード交換についてはこちらを参考にしてください。
「一段上のレベルのブレーキフルード交換をやってみた」
目次
リアブレーキキャリパーのフルード交換
フルード交換の順番ですが、ブレーキマスターより遠いところから実施するというのが定説のようです。ちゃんと交換するのであれば、どこから実施しても問題はなさそうかと思いますが、遠いところから実施することにしました。
まずはジャッキアップ前にホイールナットを緩めておきます。
長めのスピンナーハンドルがあると楽に緩められます。
ジャッキアップはジャッキアップポイントで確実に行います。
ジャッキのヘッド部分が金属の場合、ジャッキアップポイントの合わせ板の部分に引っかかっていて、その状態で上げてしまうと、合わせ面がめくれてしまいます。
実は一箇所そうなっていました。以前、バンパーを外した際にやらかしていたようです。
ハブとホイールの合わせ面がサビで固着して、なかなかホイールが外れませんでした。
タイヤの左右を交互に叩いて、少しずつずらしてなんとか外れました。
リアキャリパーはサイドブレーキ一体式です。
通常のフルード交換では不要ですが、ピストンを戻すにはキャリパー本体をブラケットから外さなければならないので、ホースを固定しているボルトを外す必要があります。
10mmのボルトを一箇所外します。
キャリパー本体を固定しているボルト2本を外して持ち上げます。
パッドはまだ5.5㎜程残っていました。
ピストンを押し戻すとリザーブタンク側にフルードが戻されるので、リザーブタンク側が満タンだとあふれてしまいます。
溢れるほど戻らないとは思いつつ、ブレーキペダル一回分をブリーダープラグを緩めて排出しておきました。
ほんの少量です。
ピストン裏のフルードもしっかり交換するため、ピストンを押し戻します。
サイドブレーキ一体式の場合、時計回りに押しながら回す必要があります。
慣れないとなかなか回しづらいですが、多少引っ込みました。
キャリパーを元通り組付けて、負圧によりフルードを吸い出します。ブレーキペダルを踏むと、ピストンが押し出されるので、ブレーキは踏みません。
オイルチェンジャーにつないでシュコシュコし、負圧状態にします。
ブリーダープラグを緩めると、負圧で吸い出されていきます。
リザーブタンク側がLOW以下になるとエアを吸ってしまうので、補充しながら行います。
最初の実施箇所は、リザーブタンクに古いフルードがあるので、タンク内のフルードが入れ替わるまで実施します。終わったらブリーダープラグを締めます。
締めた状態でブレーキペダルを何度か踏むと、ピストンが押しだされます。
ピストンを戻した後、再び負圧で多少吸い出しました。
3年も使っているとかなり変色していますね。
ホイールを装着して、一箇所完了です。
後輩君にはトルクレンチを使って、締め付けトルクがどのくらいかを体験してもらいました。
フロントブレーキキャリパーのフルード交換
リアのもう片側を終わらせて、次はフロントです。
サイドブレーキが付いていない分、フロントは楽です。
こちらもピストンを戻すので、ブラケットとの固定ボルトを一箇所外します。
ボルトが固い場合は手の平でレンチを叩くようにすると衝撃で緩みます。
下側のボルトを外して、上に持ち上げます。
ピストン戻しを使ってピストンを押し戻します。
リアのように回しながらではないので楽です。
ピストンを戻した状態でキャリパーはもとに戻してしまいます。
リアと同じようにオイルチェンジャーを負圧状態にして、ブリーダープラグを緩めます。
フロントはもっとどす黒い色のフルードが出てくるのを期待していたのですが、黄色に変色しただけでした。
オーナーはハードブレーキングを多用する走りはあまりしないので、熱的に厳しくなかったからかもしれません。
リザーブタンク内が新油になっていたからかもしれませんが、リアより色が薄いです。
左がリア、右がフロントです。
4輪すべてフルード交換実施した後に、ペダルタッチがスカスカで、再度エア抜きを行う羽目になったのですが、左フロントに大量にエアが混入していました。
リザーブタンクが一瞬空になり、エアを吸ってしまったようです。
気を付けながらやっていたつもりでしたが初歩的なミスでした(涙)
なんだかんだでブレーキフルード1リッター弱使用しました。
動画でも紹介しています。
お勧めのブレーキフルードを以下の記事で紹介しています。
「ゴールデンクルーザー ブレーキフルード DOT4&Class6」
まとめ
サーキットや峠でハードブレーキングをしていないとはいえ、3年もすると色がだいぶ変わって劣化しているようでした。
フルード交換して、完全にエア抜きした後はペダルタッチも固くなったとのことです。
ブレーキは作業ミスをすると命にかかわるので、初めての人は有識者に手伝ってもらって作業を覚えるのが良いと思います。
作業後はブレーキが利くかどうか確認するのが大切ですね。