交換サイクルの2年で消泡剤は劣化するのか?
レーシングギアのPower LLC Racing Specがメーカーの交換サイクルの2年に達したので、通常のクーラントに交換しました。
別記事「コルト(Z27AG)クーラント交換とエア抜きをやってみた」で取り上げているので、よければ参照してみてください。
今回はクーラントに含まれる添加剤の一つの消泡剤が劣化しているかを確認してみました。
ウォーターポンプの羽の後ろで発生する泡、シリンダーヘッドやタービン回りの高温箇所で発生する泡を消す添加剤です。
これが劣化すると、キャビテーションが防げなくなり、ウォーターポンプの金属が腐食したり、泡のせいで熱交換の効率が悪くなり、水温が下がらないといった事態が発生します。
劣化したクーラントと新品のクーラントの泡立ち具合の比較と、劣化したクーラントに消泡剤を含む添加剤を追加した場合に、消泡性能が復活するかを確認してみました。
目次
2年、1万8千キロ使用したレーシングクーラントの状態
コルト(Z27AG)でレーシングギアのRSを2年使用しました。
ラジエターのドレインプラグを緩めて、排出します。
排出したクーラントは濁っていました。
サビではないようなので、前回、通常の緑のクーラントから交換した際に、エンジン内に残っていたものと混じった結果かもしれません。
しかし、透明度がなくなり濁っているのは確かのようです。
新品時のRSはきれいな紫色でした。
2年使用と新品クーラントの泡立ち比較
では消泡性能を比較していきます。
右端が新品クーラントで濃度30%にしたものです。
真ん中が2年使用のレーシングクーラント。
左端が2年使用したレーシングクーラントにクーラントリカバリーを適量添加したものです。
2年使用したレーシングクーラントと新品クーラントを同じようにペットボトルに入れてシェイクします。
振った直後、泡が盛り上がってきます。
新品クーラントは10秒もすると泡が消えてしまいました。
消泡剤の力はすごいですね。
60秒経過。
2年使用したレーシングクーラントの泡はへりましたが、なかなか消えません。
90秒後。
細かい泡がしぶとく残っています。
2年でも消泡剤は劣化してしまい、消泡性能は落ち、冷却性能も落ちていたのかもしれません。
街乗りではそれほど水温に厳しくないので、問題ありませんが、夏場の渋滞や高負荷時に差が顕著になっていたのかもしれないですね。
クーラントリカバリーは効果があるか確認
続いて2年使用のレーシングクーラントにクーラントリカバリーを添加して、消泡性能が復活するか確認してみました。
真ん中のペットボトルのクーラントに適量添加しています。
添加有、添加無を同じようにシェイクします。
泡だってきました。
振った直後。
10秒後。
30秒後。
新品クーラントより劣りますが、30秒もすればほぼ泡が消えました。
60秒後。
添加無のほうはまだ消えません。
90秒後。
クーラントリカバリー、消泡剤の性能復活としては効果があると言えると思います。
まとめ
実験の様子は動画「レーシングクーラント消泡剤の劣化確認をしてみた」にあげていますので、よろしければ参照してください。
メーカー推奨の交換サイクルである2年でも消泡剤は劣化していることがわかりました。
定期的な交換もしくはクーラントリカバリーのような添加剤を入れることで、キャビテーションが抑えられ、冷却性能の維持や、ウォーターポンプなどの劣化を遅らせることができると思います。
当方は1年ごとにクーラントリカバリーを少量添加しようかなと思っています。
■関連ページリンク