高効率クーラントから普通のクーラントにデチューン?
クーラントはプロピレングリコールを使用した高効率クーラントを入れていました。
レーシングギアのPower LLCのRacing Specを使っていました。
普通に流れに乗っていれば、サーモスタットの開く温度まで下がるし、夏場はエアコンを入れてファンが回るため、めったに90℃を超えることはないくらいの性能でした。
推奨交換時期の2年となったため、交換しようかと思いましたが、やはり値段が高いということと、通常の安いエチレングリコール系のLLCでも濃度を低めにすれば、十分冷えるのではないかと考えました。
別記事「アルト(HA36S)エチレングリコール系LLCをできるだけ冷えるようにして交換してみた」で取り上げているので、よければ参照してみてください。
古河薬品工業の昔ながらのクーラントに交換してみたので、作業工程などをご紹介します。
目次
クーラントを排出する
コルトはアンダーカバーがついているので、まずはアンダーカバーを外します。
当方のコルトは自作アンダーパネルを装着しているのでパネルを外します。
ラジエター下側の運転席側に白いドレインコックがあるので、これを緩めるとクーラントが排出できます。エンジンが冷えてから抜くようにしましょう。
ラジエターキャップを外すと、排出しやすくなります。
当方のコルトはブリーザータンクを装着しているので、ラジエター側も併せて2箇所キャップを外します。
ドレインコックも緩めすぎると、コックのねじ部分からもあふれてしまうので、ギリギリを狙って最大限緩めます。
ブリーザータンクからロアホースに透明なシリコンホースで繋いでいるのですが、水位が下がっていくのが目に見えて面白いです。
下記のオレンジのコックが付いているホースはヒーターホースにつなげています。
水温が低くサーモスタットが閉じている間でも微量の流れがあり、エンジンの温まりが非常に悪くなるので、冬場は暖気対策として、コックで閉じれるようにしています。
ドレインコックを緩めすぎると下記のように、コック側のねじ部分から漏れてきます。
勢いよく排出したい場合は外してもよいのですが、クーラントを床にぶちまけてしまうので、オイル受けに入る範囲で最大に緩めました。
リザーブタンクもチェックします。
なにやら底に汚れっぽいものがたまっています。
リザーブタンクとラジエターキャップ部分にホースがつながっているので、ホースを外して、タンクより下の位置にしてあげると、タンク内のクーラントも排出できます。
レーシングギアのRSはペットボトルなどに入れていると綺麗な紫でしたが、排出したのはサビ汁のような色になっていました。
HKSのHPによると、コルトのクーラント容量は6.8Lでした。
ランエボは意外なことにⅠ~Ⅸまで一貫して6Lなんですね。
もっと多いものかと思っていました。
リザーブタンク内のクーラント含めて、2.8Lくらい抜けました。
半分も抜けないようです。
ちなみに、レーシングギアのRSはこんな色でした。
薄めないタイプなので、このまま入れました。
エンジン内に残っていた緑のクーラントと混ざって変色したのか、劣化によるものなのかは不明です。
エンジン内の残ったクーラントを薄める
リザーブタンクはボルトで固定されていて、外すのは大変なので、水道ホースのジェットノズルで洗う作戦にしました。
汚れがひどいとなかなか取れない場合がありますが、軽傷のようでした。
ドレインコックはあけたままにして、ラジエター内部も水で洗い流しました。
ここから、エンジン内に残ったクーラントをできるだけ排出するため、以下の工程を何回か繰り返します。
- 水道水を入れる
- サーモスタッドが開くまでエンジンを温める
- 水で薄まったクーラントを排出する
アルトではペットボトルを切ったものを使いましたが、クーラントチャージャーを購入しました。
キャップのバネがちょっと弱くて、動かしながら使うと若干漏れましたが、容器に触れて動かさなければ漏れることはなかったので一応使える代物でした。
残ったクーラントをこぼさないようにする弁がついているのですが、こいつがすぐしまってしまうので、常に上げてなければいけないのがマイナスポイントでした。
クーラントチャージャーを装着して、 水道水を入れていきます。
ちょっと贅沢な使い方ですが、クーラント交換のこの瞬間に鋳鉄エンジン内が錆びるのが嫌だなと思ったので、防錆剤を含むクーラントリカバリーを少量まぜておきました。
一回、ラジエターキャップから溢れるくらいにまで入ったら、エンジンをかけて、エアが抜けた分を継ぎ足していきます。
ブリーザータンクにつないでいる透明ホースのおかげでクーラントやエアの状況がわかり、見ていて面白いです。
エンジンが86℃くらいになるとサーモスタットが開いてくるので、エンジン内の残ったクーラントと混ざって色が付いてきました。
ヒーターの設定もMAXにして、ヒーターコアにもいきわたらせます。
長時間アイドリングで近所迷惑になっていないか気にしながら早く水温上がってくれと祈りました。
クーラントが水と十分混ざったころ合いを見て、排出→水を入れる→エンジン温めるを繰り返しました。
1回目、2回目は水道水を使いましたが、3回目は精製水を使いました。
ドラッグストアの500mlで何リットルも購入すると買い占め状態になってしまったりするので、通販で5Lのものを購入しました。
2個10Lを購入しましたが、送料を入れてもドラッグストアの安い500mlの精製水を10本買うより若干安いくらいでした。
右が最初に抜いたクーラントで、水を入れて希釈して排出した順にクーラントが続きます。
3回目の排出でようやく薄くなったかなという位で、なかなかエンジン内のクーラントを出し切るのは難しいようです。これ以上やっても処分しなきゃいけないクーラントが増え続けるだけなので、3回で終了としました。
この問題があるので、薄めないタイプのクーラントは選びずらいというのもあります。
交換するちょっと前から、ネット通販を調べていると、レーシングギアのRSがどこにも売っていなく入手できないという問題がありました。
他メーカーの高効率クーラントにすると、完全に入れ替えるのに高いLLCを入れて排出を繰り返すやり方を取らないといけなく、もったいないという理由もあったりします。
そういうことから、希釈できる安いタイプで何とかできないかと思った次第です。
クーラントを入れてエア抜きをする
最後はクーラントを入れます。容量6.8Lなので、2リッターちょっとクーラントを入れます。
濃度薄目を狙うので、クーラントリカバリーを少々足して、防錆剤、消泡剤を追加しました。
最初にクーラント2Lを入れて、あとは精製水を足していきます。
透明ホースだと鮮やかな緑がきれいです。
若干ホースが汚れてきているので、そのうち新品に交換したいと思います。
勝手に弁が閉まってしまう問題は、付属の細い透明ホースを穴に突っ込んで、下がらないようにして対処しました。
ブリーザータンクを装着し、ロアホースとヒーターホースにつないでいるので、エアの抜けが圧倒的によく、エア抜きが楽です。
あまり装着している人は多くない感じのブリーザータンクですが、水温も下がり、効果のあるパーツだと思っています。
エンジンルームがぎっしりの車には装着するスペースが無いという問題があるのと、国産メーカーのものは高いですね。
海外製品で同じ形状のものが安く販売されていますが、耐圧の面などで問題がなければ使ってもよいかなと思います。
外気温40℃前後の中、近所を走ってきました。
エアコンを入れてファンが回っている状態ですが、郊外の比較的流れる道路では87℃前後で落ち着いていました。800mほど3速固定で上り坂を上り切ったところで91℃まで上がりましたが、気温を考えるとよく冷えていると思います。
エンジンが冷えてからキャップをあけると、エアが残っていたのか若干減っていました。
補充して、リザーブタンクの量も調整して完了です。
まとめ
2年、18000キロ使用したレーシングクーラントは色を見るとかなり劣化した感じでした。
クーラント交換も当初は、1回水を入れて排出すれば十分だろうと思っていましたが、3回希釈しても、まだまだ色がついている状態には驚きました。
いまのところ、街乗りプラスαではレーシングクーラント並みに冷えているので、濃度30%の通常のクーラントで十分かなという感じです。
いくら高効率クーラントでも交換時期を過ぎていると、通常のクーラント以下の性能になってしまうこともあると思うので、適切な交換時期で交換するのが良いと思います。
そういう面でも通常の希釈タイプのコストの安さは捨てがたいです。
■関連ページリンク