13年、15万キロなのでブレーキホースが心配
当方のコルトは13年目、15万キロオーバーのご老体となってきました。
フロントのブレーキホースはGTOキャリパー導入時に新品に変えましたが、リアブレーキホースは無交換でした。ブレーキ整備のときに、ブレーキホースだけでぶら下げていたりなどもしていて、負担をかけていたと思います。
10年10万キロくらいは純正ブレーキホースも十分持つと思いますが、それ以上になるとやはり不安になってきます。
リアのブレーキフルード交換をするタイミングで一緒にホースを交換してみました。
目次
- 1.事前準備
- 2.リアブレーキキャリパーのピストン戻し
- 3.リアブレーキホース交換
- 4.ブレーキフルード交換(エア抜き)
- 5.まとめ
事前準備
リアブレーキのキャリパーを外す必要があるので、サイドブレーキを緩めておく必要があります。当方の駐車場は少し傾斜があるので、ギアを入れて進まないようにします。
※作業が終わってエンジンをかける前に必ずニュートラルに戻しましょう。
ギアを入れて車が動かないようにしたら、サイドブレーキを緩めます。
念には念を入れ、タイヤの前にタイヤ止めを置きます。
ピストン裏側のなかなか交換できないフルードを排出するためにピストンを戻します。
別記事「一段上のレベルのブレーキフルード交換をやってみた」でも取り上げていますので、参照してください。
キャリパー本体を外すのですが、サイドブレーキのワイヤーが固定されているため、動かせる範囲が狭いです。
サイドブレーキのワイヤーを固定しているボルトを外して、自由度を上げます。
12mmのボルト2箇所で固定されています。
リアホイールハウス前側にもありますので、ちょっと潜ってボルトを外します。
固定箇所を外すと、だいぶ緩くなります。
ブレーキホースも固定されており、ここも外しておく必要があります。
ステーとホースの固定金具の隙間にクリップがささっているので、プライヤーでつまんで、小刻みに動かしながら引っ張ります。
外れた瞬間、手をどこかにぶつけたり、後ろにひっくり返ったりする可能性もあるので、注意して行います。
ホースを手前にひっぱって、ホースが細くなった部分を固定箇所の開いているところで上に通して引き抜きます。
リアキャリパー本体をブラケットから外します。
上下2箇所のボルトを外しますが、13mmという、バージョンR特有のサイズが一般的でないパターンです。
空回りする場合はナット側を固定する必要がありますが、これまた15mmというレアサイズになります。
ボルトが外せれば、キャリパー本体が外せます。
ピストンを戻す前に、リザーブタンクのフルードが漏れないように多少抜いておきます。
色がやや黄ばんできてますが、それほど劣化してないように見えます。
ピストン戻しツールを使ってピストンを戻します。
リアブレーキのピストンは時計まわりに回すことで戻すことができます。
ちなみに欧州車(アウディTT)はこのツールでは戻せませんでした。
強力に押しながら回さないと駄目なようで、別なツールを用意した痛い思い出があります。
ピストン戻しツールはいろんなところから出てますが、大体同じ形状だと思います。
当方はモノタロウで購入しましたが、アストロプロダクツも出してますね。
アウディTTのピストン戻しにはキャリパーウインドバックツールを使用しました。
友人がTTからスバル車に乗り換えたので、もう出番はないかも・・・
ひっかけるところの形状にぴったり合う面を使って押しながら回していきます。
引っ込みました。
結構固い場合もあるので、頑張って戻しましょう。
この状態でピストン裏側にまたっていた劣化したフルードがホース側に戻るので、負圧方式でフルードを抜き取ります。
ブレーキペダルを踏むやり方でも、ピストンが押し戻されないくらいの踏力でそーっと踏めば可能かもしれませんが、負圧が確実だと思います。
リアブレーキホース交換
今回の目的である、ブレーキホースを交換します。
ブレーキホースを外すにはフレアナットレンチが必要です。
コルト(バージョンR)は10mmが必要でした。
使用頻度は少ない工具ですが、無いと作業できないので、10mmと12mmのものを一本持っているとよいと思います。
下記はブレーキホースを固定しているクリップを外してしまっていますが、外す前にナットを少し緩めておくのが良いと思います。
ブレーキホースを外すと、ぽたぽたとフルードが垂れてきてしまうので、ブレーキフルードを止める工具を使います。
ちゃんと役目は果たしてくれましたが、バネが強すぎるため固定しにくかったです。
しかし、ちゃんとフルードはきっちり止まったので、長時間、ブレーキホースを外した状態で作業する人はもっていると便利かと思います。
頭の青い部分が力を入れすぎるとぽろっと外れてしまう場合がありましたが、再び爪の部分にはめ込めば使えました。
キャリパー側も外します。14mmのスパナで外します。
ブレーキホースは純正ホースを使います。型番は4650B135でした。
社外のステンメッシュホースなどもありますが、耐久性は純正には遠く及ばないので、当方は純正派です。
ステンメッシュホースはステンメッシュに覆われて、内部の状況がわからないので、ある意味消耗品的な扱いとし、ある程度の期間、距離で交換したほうが良いと思います。
キャリパー側から装着し、キャリパーもブラケットに装着してから車体側を接続しました。
ねじ部に砂利などが付いていると噛み込んで漏れの原因にもなるので、パーツクリーナーできれいにしておきます。
ストッパーを外して、速やかにホースをつなぎます。
ブレーキホース固定のクリップをはめてから本締めします。
プラスチックハンマーでたたいて差し込みます。
上下を間違えると適切に固定されないので、外す前の状態を写真に撮っておくとよいです。
力加減がむつかしいですが、本締めします。
固ければ安心な気もしますが、オーバートルクでねじ山をつぶす恐れもあるので、全力で締めるのはやめたほうが良いです。
ブレーキフルード交換(エア抜き)
ブレーキホースを交換したらエア抜きをして終了となります。
その前に、サイドブレーキワイヤーやブレーキホースの固定を戻します。
キャリパー本体もブラケットに取り付け、本締めします。
まだブレーキペダルを踏まずに、ピストンは戻したままの状態で、負圧でブレーキフルードを流します。
ブレーキホースの通路分、なかなか出てきませんが、しばらくすると、フルードが流れていきます。これでエア抜き第一段階完了です。
次に、ブレーキペダルを固くなるまで何回か踏んで、ピストンを押し出します。
ピストンが押される分フルードが減るので、事前に足しておきます。
ピストンを押し出してから、再び負圧でフルードを吸い出します。
この負圧で吸い出されている状態でブレーキペダルを数回踏むとフルードの勢いが増し、流れきれない気泡も押し出されると思います。
オイルチェンジャーの負圧が続くように、事前にシュコシュコしておきます。
ピストン戻しでの劣化フルードが出てくるのかも思いきや意外にもきれいでした。
劣化の主な要因は熱で、負担が大きいフロントは黒ずんだオイルが出たのかなと思います。
ちょっと期待外れでしたが、ピストンを戻すことによって、入れ替わるフルードは多くなると思うので、このやり方を続けていこうと思います。
最後にサイドブレーキワイヤーやブレーキホースに変なテンションがかかっていないかなどを確認します。
ブレーキ回りの作業ミスは事故に直結するので、念入りに確認しましょう。
13年、15万キロ使用したブレーキホースですが、ひび割れなどの劣化は確認できませんでしたが、新品のほうが多少柔軟性があるかなと思いました。
サスペンションの上下の動きで曲がる部分を切ってみましたが、内部の劣化も無いようでした。
二重構造で耐久性はかなりありそうです。
事前準備で解除していたサイドブレーキを引き、ギヤをニュートラルに入れます。
これを忘れてエンジンかけると、向かいの家に突っ込んでしまいます(汗)
まとめ
きになっていたブレーキホースを交換してすっきりしましたが、思いのほか劣化もなさそうで、純正部品の耐久性には驚かされました。
ブレーキフルードは走らなくても湿気を吸って劣化するので、定期的に交換するのが良いと思います。
ブレーキフルードを交換していないのが原因で車検に落ちるということはないと思いますが、格安車検などでは交換されないケースもあると思うので、最低でも車検毎に交換するのが良いと思います。
長く乗るのであれば、劣化したブレーキフルードはブレーキの固着などの原因にもなると思うので、毎年交換するのが良いと個人的には思います。
ブレーキ回りの作業ミスは事故に直結しますので、十分注意、確認の上、作業を行ってください。不安がある場合はディーラーやショップにお任せしましょう。
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