マルチスパークのイグニッションコイルを導入してみたい
点火強化としてZC33Sスイフトスポーツなどに使われている直噴エンジン用のイグニッションコイルを取り付けて、BRISKの点火プラグも使えるようになり満足していましたが、ダイハツが導入したマルチスパークのイグニッションコイルを試してみたくなり、HA36Sアルトに流用取り付けしてみました。
高回転というよりは、アイドリングから低回転、低負荷時に変化(良い方向で)があればいいなと思い試してみました。
目次
- 1.イグニッションコイル(19500-B2060)の確認
- 2.変換カプラーの作成
- 3.イグニッションコイル(19500-B2060)の加工
- 4.イグニッションコイル(19500-B2060)の取り付け
- 5.まとめ
イグニッションコイル(19500-B2060)の確認
前回、ダイハツが導入したマルチスパークのイグニッションコイルの火花の状態を確認しました。今回は、実際にアルトに流用取り付けしていきます。
スズキの直噴エンジン用のコイルと比較ですが、寸法は若干違いますが、同じような大きさです。
試しにプラグホールに差し込むと入っていきません。
ダイハツエンジンの方が、プラグホールの径が大きいようです。
余計なリブ部分をカッターで切ってしまいます。
プラグの差し込み確認ですが、スズキの直噴エンジン用のイグニッションコイルだとこの辺で内部のバネとプラグのエンド部分が当たる様です。
バネもしっかりテンションがかかるため、きっちり接触していそうです。
一方、ダイハツコイルはこの辺でようやくバネに接触するようです。
奥まで刺さるとして、バネの縮み具合は1cmも無いようです。
実際にアルトのエンジンのプラグホールに差し込んでみると、あまり押し付けられていないようで、きちんと接触できているかちょっと不安な感じです。2、3mmほどしか押し付けられていないかもしれません。
変換カプラーの作成
中古で購入したコイルにカプラーも付いていました。
PBT-GF15と記載がありますが、この型番でネットで検索してもよくわかりませんでした。
4極カプラーです。ただ1箇所は使用していませんでした。
ノッキング検知のためのイオン電流検知用のようです。
この純正のカプラーと同じ形状のを探したところ矢崎の090Ⅱが該当するようでした。
アルトの純正側は住友の090TSの爪をカットすれば使えるようです。
横の出っ張りを切り落としてしまえばはまります。
端子もそれぞれ用意しました。
使わないところはダミープラグを入れて防水します。
地味な作業で、結構面倒です。
ちゃんとスパークするかは前回の火花比較の時に確認済です。
イグニッションコイル(19500-B2060)の加工
偶然にもコイル固定の穴の位置はぴったりだったので加工せずとも装着出来そうですが、プラグに押し付けられていないので、一部削って、奥まで入る様に加工します。
コイル固定箇所の下側をグラインダーで削ります。
2mmも削れば十分だと思います。ちょっと削り過ぎました。
棒ヤスリでも削れると思いますが、時間がかかりそうです。
こんな感じで3本加工しました。
それでは取り付けしてみます。
カプラーが斜め上向きなのでそこが大丈夫なら行けると思っていますが、どうなるか?
問題なく取り付けできました。
エアクリーナーのダクトも取り付けはできます。
気になる点として一番左のコイルの配線のところが、ダクトを取り付けると干渉します。
もう少し反時計回り方向にずらせればよいので、加工してみます。
金属のカラーを外します。
リューターで切り目を入れます。
マイナスドライバーを当ててハンマーで叩いて外してみます。
取れました。
穴の径を拡大しました。
見た目も純正風に見せたいので、エポキシパテで埋めます。
色が近いという理由でクイックウエルドの速乾タイプ(濃グレー)を購入しました。
ちょっとお高いのが難点。
2液タイプなので、混ぜ混ぜします。
ホームセンターでカラーを買い、エポキシパテで隙間を埋めます。
固まったら、カッターで余計なところを切り落とします。
反対側ははみ出るのでグラインダーで削りました。
先にカラーの削って長さを調整してからエポキシパテで固定したほうがよいです。
グラインダーで削っている熱でパテが緩んだのか、カラーの位置が動いてしまいました。
無加工のと比較するとこんな感じです。
カラーを無理に入れなくても問題ないと思いますが、ちょっとしたこだわりでやってみました。
再び装着します。
余裕はないですが、当たってテンションがかかることは無くなったようです。
イグニッションコイル(19500-B2060)の取り付け
恐る恐るエンジンを始動してみると、問題なくかかりました。
アイドリングも安定しており、空ぶかししてもスムーズに吹け上がりました。
スズキの直噴エンジン用のイグニッションコイルと比較すると、低負荷・低回転時のレスポンスはダイハツコイルの方が鈍いですが、トルク感がありました。CVTが極低回転のままでスピードが乗る感じがします。
また、アイドリングはダイハツコイルの方が安定している感じがあります。ビッグスロットル、スロットルスペーサーを導入したあたりから、アイドリング時の振動が気になり、たまにエアコンを入れた時みたいにアイドルアップする時があり気になっていましたが、その点が緩和されました。
ピークパワーは変化なかったですが、OBDの値を見ていたところ、アクセル全開時のスロットル開度の値が、なぜかダイハツコイルの方が大きくなりました。
スズキの直噴エンジン用のイグニッションコイルとは違いが出ているのは確かです。
しかし、燃費やパワーに差が出るかというと微妙なところだと思います。
BRISKのLGSの点火プラグも使えています。
–2024/2/4追記–
配線がダクトギリギリなのが気になったので別の方法で回避しました。
アルミパイプをパイプカッターで固定部からコイル固定の上側の高さ分カットします。
ホームセンターでステンレスバーを購入してきました。
穴を拡大してここに圧入します。
こんな感じでステーを介して固定する作戦です。
一部、コイルの出っ張りに当たる所をカットします。
180WのDEPSTECHのリューターだとパワーに余裕があるので比較的楽に削れました。
こんな感じで固定しました。
完全にカプラーの向きが変わったので干渉は無くなりました。
まとめ
アルトにダイハツのマルチスパークのイグニッションコイルを流用取り付けをしていましたが、実際にマルチスパークしているかはわかりませんでしたが、個人的にはアイドリングが安定し、レスポンスは悪化しているけれど、トルクアップの感じがするダイハツコイルの方が面白いなと思いました。
長期間の使用をしていませんが、問題なければダイハツコイルを使って行こうかなと思っています。