オイルキャッチタンクでカーボン堆積対策をしよう
「直噴エンジンのカーボン堆積問題を考える」でブローバイガスからオイル分を分離することで、カーボン堆積を減らすことを提案しました。
オイルキャッチタンクの取り付け例についてご紹介します。
目次
- 1.オイルキャッチタンクと取り付ける場所
- 2.オイルキャッチタンクの効果と形状
- 2-1.オイルキャッチタンクの効果
- 2-2.オイルキャッチタンクの形状
- 3.取り付け時の注意
オイルキャッチタンクと取り付ける場所
エンジンからのブローバイガスの経路として、以下が存在します。
大抵の車はこれに当てはまると思いますが、一部当てはまらないケースもあります。
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- PCVバルブからインテークマニホールドへのホース
- エンジンヘッドからスロットル手前へのホース
エンジンがアイドリング時など負圧時には1.のホースはエンジンからインテークマニホールドの方向にブローバイガスが流れます。
逆に、2.のホースからはスロットル手前からエンジン側にガス(空気)が流れます。
アクセルを多く開けたり、高回転などの場合はPCVバルブは閉じられ、1.のホースにはブローバイガスは流れません。
2.のホースからスロットル手前にブローバイガスが流れます。
アフターマーケットやショップが出している車種専用のオイルキャッチタンクは大抵2.のホースに割り込ませるタイプになっています。
直噴エンジンのカーボン堆積の対処としては1.のホースに取り付けるのが良いと考えます。
PCV~インテークマニホールド間の取り付け例
以下、例を挙げます。
上からコルト(Z27AG)、ヴィッツ(SCP13)、インプレッサG4(GJ7)です。
いずれもエンジンヘッドに刺さっているPCVバルブとインマニの間に設置しています。
エンジンヘッド~スロットル手前
以下、例を挙げます。上からコルト(Z27AG)、アルト(HA36S)です。
エンジンヘッドからスロットル手前の配管につながるホースの間に設置します。
コルトとアルトの例ではこちらはあまりオイルが溜まらなかったので撤去しました。
サーキットなど連続高負荷走行する場合は溜まるかもしれませんので、こちらにも設置するのが良いかと思いますが、スペースや重量増、費用の問題もでてきますので、必要に応じて判断しましょう。
また、ターボ車の場合は、インタークーラーでガスとオイルに分離されるので、スロットルまではあまり来ない場合もあります。
定期的にインタークーラーを洗浄する対処もありかと思います。
オイルキャッチタンクの効果と形状
オイルキャッチタンクの効果
数千キロも走れば多少はオイルが溜まってきます。
大抵のオイルキャッチタンクはオイル量が見れるゲージがあると思うので定期的にチェックしてオイルを捨てる必要があります。
ブローバイガスが分離して溜まったオイルはエンジンオイルみたいな状態になります。
良く見ると粒子状のカーボンも混じっているのが分かると思います。
オイルキャッチタンクが無ければ、このオイルがすべてエンジンに吸い込まれていることになります。
オイルキャッチタンクの形状
オイルキャッチタンクにもいろいろな形状がありますが、内部に仕切りがあるものと無いものがあります。
ガスを仕切りの壁などにぶち当てて分離するタイプのほうが効果的にオイル分を分離できます。
海外製のもののほうが分解が出来て、後から仕切りを追加などできるのが多いです。
加工できるのであれば、自分の納得する形状にすることも可能です。
ただし、やりすぎて抵抗が大きくならないようにする必要があります。
オイル量をみるホースがなく、ゲージが付いているタイプも出てきました。
時代によってタンクも進化してますね。
上記のはオイルを分離する仕組みが最初からついていて性能は高いと思います。
ただし、付属のゴム部品やガスケットの品質は低いようなので、あらかじめ国産メーカーのものと交換しておくなどが良いと思います。
取り付け時の注意
取り付けの注意点としてはホースの径がちゃんとあっているか、取り回しがきつくないかなどを考慮し、パーツを用意する必要があります。
ホースの取り回し角度がきついと、負圧でつぶれてしまい、ガスが通らない場合もあります。つぶれにくい材質のものを選びましょう。
二輪の燃料ホースが内径の種類が多く良いと思います。
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