ディーゼル用オイルでフラッシング代わりは本当か?
以前から、フラッシング剤の代わりにディーゼル用エンジンオイルを使うと汚れが落ちるという話があります。
本当かどうか試してみることにしました。
実験車両はアルト(HA36S)のCVT車でもうすぐ9万キロです。
エンジンオイルは4000キロ、長くても5000キロで交換してきました。
使用したオイルはガソリン、ディーゼル兼用ではなく、ディーゼル専用オイルです。
DL-1はアルカリ成分が少な目になっているような話もあり、この辺はディーゼルオイルの規格を良く調べてから選定したほうがよかったです。
目次
ディーゼル用エンジンオイル投入前の状態
ディーゼル用エンジンオイルに交換する前に状態を確認します。
直前の使用オイルはAZのCEH-002 HYBRID+ SN 0W-30で、4000キロ走行しました。
まずはオイルキャッチタンクを見てみました。
前回、オイル交換後からノーチェックでしたが、外してみると、かなりの量が溜まっていました。冬場だったので、水分が混入してドロドロの状態でした。
これ以上溜まっていたら横G発生時に吸い込んでいたかもしれません。
オイルの汚れはそこそこでした。
AZのオイルについては別記事で紹介しています。
「AZ エンジンオイル CEH-002 HYBRID+ SN 0W-30 4000キロ走行後の劣化確認(アルト使用)」
ディーゼル用エンジンオイルを入れる為にオイルを抜きます。
いつもは上抜きですが、ファイバースコープでエンジン内を見る為に下抜きにしました。
まずはフィラーキャップのところから見てみます。
オイル交換はこまめにしている方なのでオイル焼けなどもなく綺麗です。
内部も綺麗な状態でした。
一部黒いスラッジのようなものが張り付いているところもあります。
完全に黒いスラッジが張り付いているところがありました。
オイルの流れの悪いところで生じているようです。
続いて、ドレインボルトのところから内部を見てみます。
オイルパンを外せば確認できますが、このためにオイルパンを何度も外すのは厳しいので、ファイバースコープにしました。
オイルレベルゲージが見えます。
予想以上にオイル焼けしてスラッジがこびりついていました。
エンジンの壁面なので性能的には悪影響はないかもしれませんが、気分的には嫌なものです。
この黒いのがディーゼル用エンジンオイルでどうなるか楽しみです。
ディーゼル用エンジンオイル投入
ホームセンターで見つけたMOLY GREENのディーゼル専用オイルを入れます。
特段ガソリン用のエンジンオイルと差は無いように思えます。
レベルゲージ上限まで入れました。
ディーゼル用エンジンオイルで2000キロ走行
ディーゼルオイルを入れて2000キロ走行しました。
ディーゼルエンジンはガソリンエンジンよりも低回転型なので、あまり高回転まで回さないようにしました。とはいえ、何度か6000回転まで回してしまいましたが・・・
オイルの汚れは2000キロ程度なので、そんなに濃い色ではないです。
がっつり汚れを取り込んで真っ黒ということは無かったです。
エンジンオイルを抜きます。
オイルフィルターも後ほど分解するので外しました。
排出したオイルを見てもスラッジ等は見られませんでした。
廃油受けの残りのオイルを確認してみます。
多少粒子状のものが確認できましたが、少ないです。
オイルフィルターを分解します。
フィルターの底にはスラッジは見られませんでした。
濾紙を剥がしていきます。
特にスラッジは無いかなと思いましたが・・・
粒子状のスラッジの粒が多数発見できました。
ディーゼルオイルの洗浄力で落ちたものなのか、生成されたものなのかはわかりません。
ふたたびファイバースコープでエンジン内部を見て行きます。
見た目は特に変わっていないようです。
黒いもやがあった部分も同じような状態です。多少薄くなったような気もします。
がっつりスラッジが張り付いていたところも同じような状態でした。
オイルパンの方を見て行きます。
オイル焼けの部分も相変わらずです。ただ、ここも多少薄くなった気もしないでもない。
残念ながら汚れはあまり変化ないですね。
オイルの流れもそんなにないところだと思うので、こんなものか・・・
まとめ
使用前後の比較をしてみます。
エンジン上側はほぼ変化ありませんでした。
オイルパン側はスラッジで黒くなった部分の面積が多少減っているのと、色も薄くなっているように見えます。
少なくとも汚れは落ちる方向で効いたように見えます。
劇的な効果はないようですが、洗浄力があるのは確かなようです。
今後、遅効性フラッシング剤も検証し、どう変化するか見て行きたいと思います。