Gulf ARROW GT40を検証してみた
コルト(Z27AG)にはSUNOCOのSvelt EURO 5W-40をいつも入れています。
ターボ車でブーストアップもしているので、上の粘度は40にしたいところです。
SUNOCOより良いオイルがあれば試してみたいということで、GulfのGT40を入れてみることにしました。予算的にもあまり高級オイルはいれられないので、価格も重要なポイントです。
Amazonで4リッターで6000円でした。カー用品店に行くともっと高いオイルばかりなので、コスパは良いんじゃないかと思います。
エンジンオイルのベースオイルとして以下の4つに分類されるようです。
グループ1(G1):鉱物油
グループ3(G3):高度水素化分解油VHVI
グループ4(G4):PAO
グループ5(G5):エステル
GT40はG3、G4、G5をブレンドして、いいとこどりをしているオイルという感じですかね。
メーカーHPでは摩擦低減、省燃費のために有機モリブデンを配合とも書いてありました。
目次
Gulf GT40の粘度比較(VS Svelt 5w-40)
当サイトお馴染みの粘度比較をやっていきます。
その前にGulfとSUNOCOのスペック比較をしてみます。
同じ5W-40でも40℃はGulfの方が柔らかく、100℃はSUNOCOの方が柔らかいようです。
温度が高いほど、Gulfの方が油膜が強いというのが机上での見方になるのかなと思います。
粘度指数はGulfの方が高いので、ポリマーなどはGulfの方が多く使っているのかもしれません。
ツールを使って0℃、80℃、120℃を追加すると下記のようになりました。
気温が氷点下の時はかなり粘度の差が出そうですね。
だいたい60℃位で同じくらいになりそうです。
それでは実際に比較していきます。
確認時の外気温は27℃でした。
左がSUNOCO、右がGulfです。
ちょっとGulfの方がフライングしました。
動粘度から想像すると、SUNOCOの方が柔らかいかなと思いましたが、SUNOCOの方が若干速く流れていきます。
外気温27℃だとSUNOCOの方が柔らかいという結果でした。
冬場だとどうなるかわかりませんが、この差だとSUNOCOのほうが柔らかいかも。
続いて95℃くらいまで湯煎した後に比較します。
それでは比較します。
同時になる様に試験管先端にオイルが来るのを揃えます。
Gulfのほうがフライング気味となりましたが、SUNOCOが追い上げます。
アルミ板で徐々に冷えてしまうので、どういう判定結果にするのかが難しいですが、95℃近くだと、微妙にGulfの方が柔らかいのかなという気もします。
通常の運転の油温の範囲だと、SUNOCOの方が柔らかい状態かもしれません。
その後はSUNOCOの方が柔らかく、最後はほぼ同着という結果になりました。
ちょっとなんとも言えない結果となりましたが、それほど差が無いということでよいか・・・
Gulf GT40の耐熱実験(VS Svelt 5w-40)
つづいては耐熱比較をしていきます。
SUNOCO、Gulfのエンジンオイルをガスバーナーで熱していきます。
左がSUNOCO、右がGulfです。
着火しました。
数秒で100℃に達し、どんどん温度が上がっていきます。
200℃を超える温度になることは無いと思いますが、オイルの性質を見るには良いかなと思います。
しばらくすると、オイルが気化しだして煙が大量に出てきます。
この煙がかなりにおいます。
しばらく熱したので、粘度を確認してみます。
両方ともオイルの状態はそれほど変化なく、粘度も問題なさそうです。
両者にも粘度の差は特に無いように見えます。
スラッジ化もしておらず、耐熱性能は高そうです。
常温近くまで冷めた後も比較してみました。
こちらも特に変化はなさそうです。
粘度の差もほとんどなさそうでした。
さらに高温で熱したらどうなるかをやっていきます。
250℃を超えました。
300℃近い温度で熱していると色が濃くなってきました。
Gulfの方が、黒くなっていくのがはっきりわかります。
大分差がでました。
ここで気化したオイルに引火したようで燃え始めました。
濡れタオルで酸素を遮断して消火しました。
さすがのSUNOCOも燃えると色がだいぶ濃くなりました。
340℃にもなっていました。
Gulfの方はだいぶ黒くなりスラッジ化もしているようでした。
Gulfの方は粘度が上昇しているようでした。
Gulfのほうがねっとりしていて粘度が高くなっています。
耐熱性能はSUNOCOの方が上なのかなと思いました。
常温に冷えた後の確認です。
確認中にゲリラ豪雨が降ってきて、水が混じってしまったので、再度やりなおし、燃えた後の状態を作りました。
Gulfの方はスラッジ化して粘度が高くなってしまっています。
ここまで温度があがることはなく、200℃程度では変化しなかったGulfも優秀だと思います。
SUNOCOがここまで強いのが逆に恐ろしいです。
有機モリブデン配合ということで、エンジンの回りも滑らかになりそうな感じですが、とりあえずオイル交換しました。
レベルゲージ上限まで入れました。
気温27℃前後のエンジン始動後だと、油圧は310kPaくらいでした。
4000キロ走ったあとの油圧比較もしたいと思います。
次のオイル交換は18万キロを超えた後か・・・
まとめ
GulfとSUNOCOの比較をしてみましたが、粘度はスペック上の動粘度どおりにはならないこともあるということがわかりました。
Gulfも耐熱性能は高いようですが、燃えてしまうとスラッジ化が目立つ結果となりました。SUNOCOが強すぎるだけかもしれませんが、十分高性能なオイルなんじゃないかなと思いました。
4000キロ走行後に劣化具合の比較をしようと思います。