点火強化の仕上げに昇圧コンバーターで16V化
アルトの点火強化として、直噴エンジン車のイグニッションコイル流用、BRISKのLGSを導入して強烈にトルクアップしましたが、最後の仕上げとして昇圧コンバーターでイグニッションコイルへの電圧を上げることにしました。
その作業工程等をご紹介します。
イグニッションコイル流用とBRISKプラグについては別記事を上げているので参照してください。
「アルト(HA36S)純正流用点火強化を試みた」
「アルト(HA36S)BRISKプラグ(MOR14LGS)を導入してみた」
目次
- 1.昇圧コンバーターの自動切換え装置作成
- 2.昇圧電圧の調整
- 3.車内への配線引き込み
- 4.昇圧コンバーターの車内取り付け
- 5.まとめ
昇圧コンバーターの自動切換え装置作成
昇圧コンバーターはオーディオQさんのAQV-100-Nを使用しています。
以前、半田剥がれでエンストした経験があるので、自動切り替え器を作成して、万が一の昇圧コンバーター故障に備えます。
別記事に上げていますので参照してください。
「16V昇圧器故障で路上でエンスト!フェールセーフ装置導入」
自動切り替え器にはエーモンの5極リレーを使います。モデルが変わったようで、形状が以前購入したものと若干異なりました。
どれくらい昇圧しているか、故障していないかを確認するため、電圧系も取り付けます。
シンプルで小型、値段もお安いのでお勧めです。
2sqのケーブルで作成しましたが、分岐や合流のところは以下のようなキボシを使いました。
これを使う前はハンダでくっつけて熱収縮チューブで作っていましたが、こちらの方が楽です。
完成です。昇圧コンバーターを入れるアルミケースは車内に設置し防水の必要がないので、放熱用に穴をあけました。夏場のエンジンルームは過酷なので、耐久性を心配しての車内に設置することにします。
昇圧電圧の調整
AQV-100-Nは電圧が調整できるので、+1Vくらいに設定したいと思います。
交換してストックしていたバッテリーにつなげます。
ちょっとダイアルを回しただけで、かなり変化するので、すこしずつダイアルを回します。
15v〜24Vの間で調整が可能ですが、用意した電圧計は19.9vまでしか計測できないようです。ですが、用途としては問題ないです。
車内への配線引き込み
エンジンルームに昇圧コンバーターを設置するのは夏場の熱を考えると不安があるので、車内に設置することにしました。
エンジンルームから車内への引き込みは純正配線の引き込み箇所から通すことにしました。
ECUが邪魔になるので、ボルトを外してずらしておきます。
黒いゴムのところが純正引き込み箇所になります。
ビニールテープで保護されているので、テープを剥がします。
車内側はグローブボックスの奥につながっています。
一番太いハーネスのグロメットから通すことにします。
ワイパーの骨のステンレスのバーに配線コードをガムテープで固定します。
そのままだとなかなか通らないので、マイナスドライバーなどでグロメットを広げてワイパーの骨を突っ込みます。
この配線通しが一連の作業で一番の難関ですね。
車内側に先端が出てくれば成功です。
一本目の引き込みが完了です。
同じようにもう一本引き込みます。
バッテリーからの配線とイグニッションコイルへの配線につなぎます。
コルゲートチューブとビニールテープで保護してエンジンルーム側は完了です。
グロメット部分もビニールテープをしっかり巻きます。
配線を伝って水が入ってくる可能性があるので、コードは下向きにするのが良いと思います。
ECUを戻して完了です。
昇圧コンバーターの車内取り付け
昇圧コンバーターを車内に取り付けるわけですが、取り付けスペースがありそうでなかなかありません。グローブボックス奥か、ナビ(オーディオ)取り付け部の下側裏あたりにスペースがあります。
今回はグローブボックス奥に設置することにします。
エアコンのブロアの部品のところのボルトとグローブボックス横の金属部品の穴を使って固定することにしました。
取り付けた状態はこんな感じです。
以前はエーモンのステンレスステーなどを組み合わせて作っていましたが、アルミのフラットバーで作り直してみました。
エーモンのステンレスバーと比べて、厚みがあるので、グローブボックスを閉める際に干渉してしまいました。グローブボックス側を一部削って対処しました。
ステーはこんな感じにしています。
アルミケースは両面テープで固定しつつ、固定用に同じくフラットバーを曲げたもので挟み込んでいます。奥側の固定箇所はプラスチックのリブがあるので、それを避けるため、削っています。
外すのを楽にするため、ボルト&ナットではなく、リベットナット方式にしています。
リレーですが、何かの拍子に外れるとエンストするので、タイラップで緩み防止をしました。
電圧系は真ん中のコンソール部分に装着しました。
空のスイッチ部品の横をちょっと削って配線を通しました。
昇圧コンバーターの配線につなげると電圧が上がります。微調整して、安全マージンを取ってアイドリング時に15.2vくらいになるよう調整しました。
足が当たったり、振動でキボシが外れるとエンジン停止になるリスクがあるので、ビニールテープでも巻いておきました。
既存の配線もごちゃごちゃしていますが、タイラップで固定します。
最終的にはこんな感じで固定しました。
グローブボックスも多少干渉しますが、ちゃんと閉まるようにしました。
まとめ
昇圧コンバーターを車内に設置したので、夏場のエンジンルームの熱の影響を心配する必要はなくなりました。
昇圧コンバーター故障時の対策として、5極リレーを使った復帰回路も作ったので、安心感もあります。
もともと流用イグニッションコイルで点火プラグの火花は強力になっているので、それほど変化は感じませんでしたが、高負荷時などは昇圧前よりは確実に火花は飛ぶのではないかと思います。
安全マージを考えて+0.8vの15.2v程度に抑えていますが、16Vまで上げると差を実感できるかもしれません。
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